ただ遊びに行ってきたという日記
「金曜夜出発すれば朝までに着くし、その日1日富士急で遊んでどこか泊まって、日曜にのんびり帰って来ればよゆーじゃん。」
そんな話をしたのが2週間前。
その小話を実行した所、現実はものすごく果てしなく遠かった。
金曜日。
天気予報は土曜曇りで日曜は雨。
そんな状況で楽しめるのか。
延期か、決行か、私達は迷った。
そして、延期にして次に休みが合う第四週末が晴れるとは限らず、仮に晴れても行く気力がその時あるかどうかわからない。
ならば土曜は雨が降らないのだから行こう!という事になり、急いで宿を探す。
彼が家に着いたのは8時頃。
荷物をまとめ、支度しながら宿をネットで検索し、予約が完了したのは夜10時だった。
もっと本気で数日前から行く気になっておくべきだったと後悔しつつ出発。
夜の大移動。
景色変わらず延々と続く高速道路。
長距離トラック群に挟まれながら異様な緊迫感に包まれ走る軽自動車。
軽の長距離移動ってなんてしんどいんだ。
体力はもつのか、本当に雨は降らないか。
不安ながらも、道中に三重か愛知あたりで見た工場地帯のオレンジの光がとても幻想的だった。
夜中3時頃、日本平PAで仮眠。
それにしても最近の高速道路にあるサービスエリアなどはトイレがすごく綺麗。
ホテルみたいに広くて設備が整っている。
そんなとこに感動しました。
朝5時起床。眠い。
綺麗なトイレで身支度を整え、出発。
ナビは目的地まで2時間半だと告げていた。
ここからは彼に運転を任せ、私はカメラ片手に初めて走る静岡の道を満喫した。
「ほら、見えたよ!富士だよ!」
彼の示す先に裾野を大きく広げた富士山が見えた。
この人生で3度目に見る富士山。
う・・・美しい!
富士は日本一の山。
すごーい!
残念ながら連日の温かい気候でまだ雪化粧はしていなかったけど、とても感激した。
8時20分頃、富士急に隣接するハイランドリゾートホテルに到着!!
なんとかギリギリ開園時間に間に合いました。
宿泊特典として開園30分前の優先入園と1日パスポートが付いているので、ロビーに駆け込んでフロントに行くとすでに行列が!!!
時間に迫られると一瞬で大混乱する私はすでにかなりパニック。
支度の遅い彼は車に置いて来たのですが、車の鍵は私が持っているので車を閉められない事に気付きまたパニック。
なんとか1日パスポートを受け取った瞬間、始まってしまった優先入園。
私は彼を呼びに車に向かって猛ダッシュ。
彼は運転席に座って待っていた。
「早く!!入園はじまっちゃった!!早く!!」
あわあわしながら呼ぶも、事態がまったく伝わらず「?」という記号を顔全体に浮かべられてしまった。
追いたて一緒に慌ててホテルのロビーにまた戻ると、上着が無いので肌寒い。
「上着要るんちゃうん?」
まるで人事の様につぶやく彼に、「用意してくれてないの!?」と絶叫する私。
と、また車にダッシュ。
これで私は体力が切れ、テンションダウン。
トボトボと遅れて果たす優先入園。
「そんな落ち込むなよ。」
彼に諭され、ようやく落ち着きを取り戻したのでした。
彼は富士急に3度目の来園らしい。
私ははじめて。
前の彼女の事を思い出したりとかあるのだろうかとふとよぎるも、そんな事は考える事ではないという事で私は気を取り直した。
彼が一番大好きな遊園地。
そして、私が一番来たかった遊園地に今、居る。
テンションが落ちていたのはそこまででした。
なぜならホテルから園内に続く細い小路を抜けるとそこには、高飛車があったのです!!!
びっしゃーびっしゃーたかびっしゃー!!
つづく
…などと、いちいち区切ると長くなりそうなのでもう少し書きます。
高飛車にはすでに列が出来ていた。
他のホテルの優先入園者達だろう。
とりあえず、これに乗らなければならないだろうという事で私達も並ぶ。
開園9時になると、一般の入園者が猛ダッシュして来た。
すごいたくさんの人が駆け抜けて来る。
まるでスーパーの大安売りに駆けつける主婦の様だった。
それだけでこの遊園地の人気の高さが伺える。
周囲から聞こえる標準語にたじろぎながら、私達は無言で並んだ。
ほどなくして高飛車入り口のシャッターが開く。
うわ~…!!
地獄のミサワコラボのシュールなイラストがわくわく感を引き立てる。
少し並んだ後順番が回って来る。
カバン、ポケットの中身はおろか、髪につけたシュシュまで取る様に指示された。
シュシュ吹き飛ぶってどんな威力よ!?
ドキドキ着席。
ドキドキベルト装着!!
係り員さんの掛け声が上がる。
「それではご一緒に!!ビッシャービッシャータカビッシャー!!!!」
なんじゃそのかけ声ー!?という仰天と共に出発しました。
たかびっしゃー!!
面白過ぎです。
この人生で体験した全ての事の中から厳選してもかなり素晴らしく面白過ぎです。
これまで乗ったアトラクションの中では間違いなく1番になりました。
発進直後の暗闇走行、体付いていかなくなるくらいの回転、一旦停止後の巻き上げ、天辺での停止に徐行。
人の恐怖心のツボを知りつくしたセンスの良いジェットコースターです。
素晴らしいです。
彼的には、走り出した後しばらくキャーキャー言っていた私が突然「あははは!!」と大声で笑い出して怖かったらしい。
「イッちゃった人が乗ってるのかと思った。」との事で、豪速ジェットコースーターに揺られながら時々私を見ていたらしい。
笑いが止まらないくらいおもしろかった。
もう一度乗りたい!!
でも既に列は2時間半待ちに達していたので諦めた。
テンションとはうらはらにガックガクになってしまった膝と頭をひきずる様にして、私達はそこを離れた。
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