リルは箱入りのお嬢だから狩りができない。
鋭い一撃でおもちゃは叩き落せても虫は殺せない。
ある日、キッチンでじっとシンクの中を見つめていたので目線の先を確認したら水たまりでコバエが溺れてた。
顔をあげて私に「ニャア」と鳴き、また視線をコバエに落とした。
どうしたらいいの?と聞かれた気がしたので水を流したら立ち去って行った。
ある日の深夜、リルの声で目が覚めた。
薄暗いフットライトに照らされたリルの影の足元では小さな何かがバタバタしてる。
虫を追いつめ弱らせたけど、とどめが刺せない様子。
分かる。
私も虫を殺さないといけない時、最後の一撃は気持ち悪くて戸惑う。
リルは私が起きた事に気付いて助けを求める様に鳴いた。
(どうしたらいいの?ねえ!?)と若干パニック。かわいい。
電気をつけたら私的に無理なサイズの虫だったので夫を呼んだ。
その間も虫に手を出そうとして引っ込めては「ニャー!」と可憐な悲鳴をあげ、のけ反ってる。
可愛い。
虫はその後、起きてきた夫がティッシュでつまんで捨てた。
ある日また虫が外から入って来た。
私が振り上げた手に当たって落ちたのは大きめの蚊。
ティッシュでつまんで捨てようと思い、取りに行ってる間にリルが来てすぐ拾って食べた。
先日大きい虫にキャーキャー言ってたのにまだ死にきってない蚊をむしゃむしゃ食べてしまった。
わからん。
リルちゃん、君の基準がママにはわからん。
用途を無くしたティッシュでカイトの目元についた目ヤニをぬぐってあげた。
蚊が変な病気を持っていませんように。
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